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Ladies and Gentlemen dream
惰性ロマンス
梅雨の季節。一日中雨が降っている。
だが痛みに耐えられないナマエはそんなことも言ってられなかった。

この日も更衣室から出て施術室に入ってきたナマエは、いつも通り上は来院した時の服のまま、下だけスウェットに替えた姿だった。



「その後、腰や股関節の調子はどうですか?徐々に硬さや痛みが出てくる頃かと思いますが。」



「そうなんです。やっぱり右の股関節の開きが悪くて。腰も痛みというか、違和感が出てきましたね。」



「なるほど。じゃ、身体の動きをチェックしましょう。まずは身体を右に捻って、そう、次は左に。」



ナマエの身体の動きをチェックしながら、マリーは骨盤や肩の高さや傾き、筋肉の張りなどを触診していく。

(今日も更衣室でブラを取ってきたみたいだな。凝りだけじゃなく、向こうのほぐしもご希望か?)



ナマエにうつ伏せになるよう指示し、マリーはゆっくり背中から腰、腿などをほぐしていく。

(たしかに腰は硬いな。臀部も。)

マリーの手はナマエの臀部、つまりお尻をほぐしに掛かる。

グッと押して、揺らして。決して卑猥な動きではなく、正しいほぐしの一環だが、密かに期待していたナマエは早くも反応し出したようだ。



続いて、仰向けになったナマエの脚を持ち、可動域を確認する。股関節の動きや張りを調べるのだ。

マリーは軽く脚を開かせた状態でナマエの脚の指からほぐしていった。

ナマエは胸に手を重ねてじっとしている。ここからはもうマリーにされるがままだ。


マリーの手は、ナマエの足の甲、その内側を軽く押している。

そして手がふくらはぎに移っていく。



「三陰交(さんいんこう)というこのふくらはぎのツボ。ここもほぐしておきましょう。脚全体がほぐれた方が、股関節の動きもよくなりますしね。」



「そうですか。はい」

この三陰交は子宮に繋がるツボだ。

押したから必ずしも感じるという訳ではないが、感じるつもりでいるナマエの場合、確実に身体が疼き出す効果的なツボなのだ。



ナマエの脚を更に開かせたマリーは、鼠徑部のほぐしを始める。脚の付け根、下着のラインの際どいところだ。

ギリギリのラインに手を置かれ、ナマエは唇を噛む。早く快感が欲しそうだ。




マリーの指は、ラインに沿って行ったり来たり。

焦らしながら反応を見つめるように動く。

ナマエはチラリとマリーを見た。その顔は無表情で真剣で、顔だけ見ると真面目に整体をしてるようにしか見えなかった。

マリーの指の動きとその表情、そのギャップにナマエは身体だけではなく、心まで感じ始めた。

目を閉じて、快感に身を任せた。




マリーはナマエの反応から、変化を感じ取っていた。

つま先が反ったり、腰をくねらせたり。そして何よりその息遣い。

咳払いで誤魔化していたナマエが、今では明らかに喘いでいた。熱い吐息を漏らして、快感に身を委ねている。

しばらくその様子を見つめた後、マリーはナマエのスウェットの中に手を滑り込ませた。


一瞬目を見開いたナマエ。

しかし、次の瞬間マリーの指が触れると、スイッチが入ってしまっているナマエは、自分から快感を求めて腰を浮かすのだった。

「あっ。あぁ!い...いいの」

うわ言の様に喘ぐナマエ。

マリーは下着の中にまで指を入れ、直接クリを撫でている。

ずっと黙っていたマリーが口を開く。

「ここですよね?硬く膨らんで、はっきりわかりますよ?」

ナマエは夢中で快感を受け止めながら答えた。

「そこ!そこなの!いい気持ちいぃ」



マリーの指は的確に、執拗にクリを責める。

そっと小刻みに。一定のリズムで。

くちゅくちゅくちゅ・・・

くぐもった音がする中、ナマエにはイクこと以外何も考えられなかった。

「あっ!」



じっと動かないナマエ。スウェットからそっと手を抜くマリー。余韻に浸りながらナマエが言う。

「先生は、気持ちよくならなくていいの?」

ナマエの手がマリーの股間に伸びる。

にこっとマリーが笑い手がどけられる。

「また。痛くなったら、いつでもどうぞ」

ちぇーっとつまらない男と内心思いながら席をたつ。
ナマエは立ち上がって立ち去った後。





マリーが一人で経営しているこの整体院。ごく普通の整体院だった。いや、今でもそうだ。

腰痛や肩凝り、疲れやストレス。来院する患者のほとんどはそういった症状だ。

ただ、中にはナマエのように刺激を求めて来院する患者もいる。



全身をほぐす為に、どうしてもその患者の身体がわかってしまう。

マリーはプロだ。患者の身体の性感帯や、ここをほぐせばもっと感じるようになる・・などすぐわかってしまう。

わかってしまうが、そこをどうする事もない。凝りをほぐすのみだ。



しかし、患者は違う。中には興奮し敏感になり、更なる快感を求めてくる者もいる。

下手に断って、変な噂でも流されたら経営の危機だ。

そう思ってマリーは患者の感じるツボを刺激しているのだった。



(しかし、感じてることを隠そうとしてる顔ってのはいいもんだな。)

部屋の空気を入れ換えながら、マリーは改めて考えてみた。

(次回はもっと感じてもらえるように、手や足の指から血行をよくして敏感にしていこう。)



妙な職業意識と性的な興奮を覚えるマリーであった。


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あきゅろす。
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